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<E2-1>出会いから結婚まで~時期区分

<E2-1>出会いから結婚まで~時期区分 

 

 二人の人間が結婚に至るためには、その二人がお互いの人生の途上で出会っていることが前提となります。この<E>節では、その出会いから結婚に至るまでの経緯を、いくつかの時期に区分(任意の区分でありますが)して、考察してみたいと思います。 

 まず、本節での時期区分を述べておきます。 

 

 ①出会う以前 

 二人が出会うところから始めてもいいのですが、少し前の段階から考察の対象にした方がいいでしょう。というのは、どういう経緯を経てその人と出会ったのか、どういう状態の時に相手と出会ったのかという観点も必要になるからです。 

 ただ、この時期にはその人のそれまでの人生のすべてを含んでしまうので、そこまで話を広げないようにしたいと思います。 

 

 ②出会い 

 二人の人間が何らかの機会に出会うのです。もちろん、この中には再会という場合もあるでしょう。再会の場合でも、相手と新たに出会っているように体験されていることが多いように思うので、特に再会ということには拘らず、新たな出会いという意味で出会いに相当する体験として捉えておくことにします。 

 

 ③潜伏期 

 二人の人間が出会って、すぐに恋愛感情が生まれるとは限らず、出会ってから交際を始めるまでに時間があることも多いのです。この時期を、適切な言葉が思い浮かばないので、潜伏期とでも呼んでおくことにします。 

 この時期は、将来結婚する相手と知り合ってはいるけれど、まだ相手がそこまで特別な対象となっておらず、友人や知人の一人といった位置づけをなされている時期であります。 

 

 ④交際期 

 そこから二人の交際が始まります。この交際がいつ開始されたかは明確に言えないことが多いと思うのです。一人の友人・知人としての付き合いから一段階進んだ付き合いが始まり、そこを交際のスタートとここでは考えておきます。 

 友人や知人の一人でしかなかった相手が、何か特別な存在になるわけです。その特別な存在である相手と付き合うことが特別なことになるのです。その相手との交際が人間関係の中心となっていき、意識の場を占めるようになり、その他の友人知人との交際が減少していくようになるのです。こうして交際が始まるということであります。 

 

 ⑤婚約期 

 交際を続けていると、やがて結婚ということが二人の視野に入ってくるようになります。ここから婚約期が始まります。④と⑤は重なるのですが、⑤では結婚がかなり明確に意識されており、結婚がより現実的になっているところで④とは一線を画すことになるわけです。 

 この時期では、自分たちの両親にも相手との結婚を打ち明けたり、双方の親へ挨拶に行ったりします。周囲の友人・知人にも結婚する旨を伝えたりします。その他、結婚に向けてさまざまな準備をしていくのです。 

 

 ⑥結婚 

 これは一つの時期というよりかは、本項でのゴール地点を指しているだけであります。特に一つの時期として述べることはないでしょう。 

 

 以上、二人が出会ってから結婚に至るまでを、その前段階も含めて6段階に分けたのですが、上手くいっている夫婦ではこの一連の流れが比較的スムーズであるという印象を私は受けています。②から⑥まで1,2年といったところでしょうか。少なくとも、④から⑥までは1年くらいであると思います。 

 上手く行かない夫婦はこの一連の経緯においてなんらかのトラブルを経験していることが多いようです。どの時期にもトラブルが発生し得るのでありますが、出会いから結婚まで多難な道のりであることが多いように私は思うのです。 

 

 次項から各時期において見られるトラブルを取り上げていくつもりでありますが。そうしたトラブルに見舞われても彼らは結婚にこぎつけるのであります。困難を克服して一緒になった夫婦といえば聞こえはいいかもしれませんが、必ずしもそうではないのです。 

 まず、困難の性質というものを考えなければなりません。その困難の問題がどこにあるのかということであります。彼らは困難に取り組んだかもしれませんが、その困難を生み出している問題に取り組んでいないこともあるように思うのです。 

 また、克服の性質というものも考えなければならないのです。彼らは克服したと信じているかもしれませんが、その克服とは誰が何をしたことなのか、誰にとっての克服であるのか、克服したのか克服したように見えるだけなのか、誰がどこを取り上げて克服したと評価しているのか、さまざまな疑問が浮かんでくるのであります。 

 上手くいかない夫婦の場合、結婚前に生じていた各種のトラブルは未解決のまま結婚後に持ち越されることになることが多いように私は思うのです。そして、夫婦生活を営んでいく中で徐々に解消されることがあればそれに越したことはないのですが、上手く行かない夫婦では、数年後とかに、多少は形を変えることはあれ、その問題が再燃することもあるのです。簡潔に述べれば、上手く行かない夫婦は、結婚して夫婦になることでお互いが成長しあうという関係にならないことが多いので、かつて克服できなかった問題がやはり克服できないままでいることになるということであります。 

 しばしば上手く行かない夫婦たちは直近の出来事だけを問題として措定することがあります。その問題を一連のプロセスの中で生まれ、はるか以前から継続してきた問題であるというふうには考えない傾向があるように思います。そのように考えると荷が重く感じられてしまうのかもしれません。 

 しかし、今述べたようなテーマは本節の趣旨から外れるので、あまりそれらに触れることはないでしょう。いつか機会があればケースを通してその辺りのことも見ていきたいと思うのですが、ここでは論述を先に進めていくことにします。結婚前に生じていたトラブルや困難は、結婚後も持ち越されることがあり、数年後に再燃するといったことが起こり得るという点を理解していただければ当面は十分であります。それでは結婚前に彼らが抱えてしまうトラブルなどについて、各時期ごとに見ていくことにしましょう。 

 

(文責:寺戸順司-高槻カウンセリングセンター代表・カウンセラー)