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<E2-5>出会いから結婚まで~潜伏期(1)

<E2-5>出会いから結婚まで~潜伏期(1) 

 

(潜伏期) 

 多くの夫婦の経験を聞いていると、相手と出会ってから交際を始めるまでにいくらかの期間が空いていることが多いようです。この期間を恋愛感情がしっかり形成されて、それが意識化されるための期間という意味で潜伏期とここでは呼んでおきます。意識下で恋愛感情が結晶化されていく時間であります。 

 相手と知り合っても、しばらくは相手は特別な存在ではなく、友人の一人とか、あるいは単に「いい人」くらいの位置づけがなされていて、そこから恋愛感情のようなものへと発展してくるようであります。しばしば、それを一押しするような出来事を経験する人もあります。例えば、相手に助けてもらったとか、相手の意外な一面を垣間見たとか、そうした経験が潜伏期の終わりをもたらすこともあるようです。 

 従って、この潜伏期はいつまでも続く可能性もあるのです。何か一押しされるような出来事がなければ相手は同じ位置づけのままであることもあるようです。 

 前項では潜伏期がまったくあるいはほとんどないケースを考察しました。それはほとんど一目ぼれのような体験であります。ここではその逆のパターン、つまり潜伏期が過度に長いというパターンについて考察します。 

 なお、潜伏期が過度に長引く場合、結婚には至らないことが多いようであり、その意味では本節の趣旨から外れるのですが、男女の関係ではよく見かけることでもあるように思うので、ここで取り上げておきます。 

 

(恋愛感情に気づかない) 

 ある女性クライアントを思い出します。彼女は数年前から気分が落ち込むことが多くなったと訴えます。それが彼女の一つ目の訴えでした。二つ目の訴えとして、彼女は男性との関係が上手くいかないので、男性がどのような考えをするのか知りたいと望んで来談したのでした。そのため彼女は男性カウンセラーを探したと言うのです。 

 一つ目の訴えは良しとしても、二つ目の訴えは困ったものであります。私が男性の代表ということになってしまうからです。取り敢えず、彼女の落ち込みから取り上げていくことになりました。 

 彼女の落ち込みは、うつ病などのような程度の重いものではないようでした。気分が落ち込んでも仕事や日常の家事がこなせないほどではないようでした。ただ、そういう時は気分的に疲れるというので彼女は困っていたのでした。 

 数年前から始まったといいますが、何かきっかけになるようなものはないでしょうか。彼女の答えは思い当たらないということです。私たちは彼女の落ち込みにパターンとか規則性が見いだせないかいろいろと探求してみましたが、これといった法則性が見いだせないのでした。 

 面接を重ねていく中で、彼女は自分自身のことも打ち明けるようになりました。男性とは友達付き合いしかできないと彼女は言います。すごく仲良くなることもあるし、一度友達になると長く関係が続くようでした。数人の男性が結婚を理由に彼女から去って行ったようです。それはつまり、彼女の男性友達たちは、彼女と友達付き合いをしながら、それと並行して他の女性と交際していることを意味するのですが、彼女はそのようだと答えます。彼女と友達付き合いした男性は、どういうわけか好きな女性ができたという話を彼女にするのです。そのため今まで通りの友達付き合いができないということを彼女に告げるのであります。男性と親しく友達付き合いをすると、やがて男性がそういう話を彼女にするのだそうであります。 

 こういうことなのだと私は思うのです。男性がそういう打ち明け話をするというのは、要するに、彼女はフラれたのでしょう。男性は彼女をフリ、他の女性の所へ行ってしまうわけですが、彼女は自分がフラれたということに気づいていないようであります。 

 彼女に関してもっと多くのことが分かってからですが、私は彼女に次のような話をしてみました。男性が彼女と友達付き合いをする時、彼らは彼女と恋人関係になることをどこかで望んでいたのかもしれない。しかし、いくら付き合いをしても彼からすればなんら発展しないのです。おそらく、男性の方でも彼女の気持ちが分からないのでしょう。自分のことを好いてくれているようでもあり、ただの友達のようでもある、そんな感じだったのではないかと思います。男性は、彼女とは恋人関係になれそうにないし、結婚にも至らないだろうとどこかで察するのでしょう。そして、彼が結婚を望んでいる場合、結婚の可能性のある女性の方に流れてしまうのでしょう。でも、仲良くしてくれた彼女の気分を害するのではないかといった配慮から、恋人ができたという話を彼女に打ち明けたくなるのだろうと。 

 彼女も、その男友達も、若い人たちでしたが、そろそろ結婚を考えるくらいの年齢に達していましたので、男性の方は結婚も視野に入れて彼女と友達付き合いをしていたのかもしれません。ところが、彼女からはまったくそんな気配がうかがえないので、他に恋人を探すことになったのでしょう。彼女の話を聞いていると、また彼女の人柄を見ていると、そういうことが男性たちに生じているように思えるのです。 

 こういう私の解釈を聞いても、最初は彼女は半信半疑でした。友達の男性たちが結婚相手の候補として自分を見てくれていたとは彼女には信じられないようでした。つまり、自分が愛されるとは信じていないということなのであります。彼女は訴えるのです、それならどうしてわたしと結婚しようと言い出さずに、男性たちは他の女性に走ってしまうのか、と。 

 候補にあがっておきながら本命にはならないのはなぜか。彼女に魅力がないというわけではなく、おそらく、彼女の方で一線を引いてしまっているところがあるのではないかと私は思うのです。 

 彼女は、男性たちが他の女性と結婚すると打ち明けると、なぜか悲しくなると言うのです。それもその打ち明け話をされた数日後に悲しい気持ちに襲われると言うのです。友達が結婚するというのであれば、それはおめでたい話であり、喜ばしい話でありますが、どうして彼女は悲しまなければならないのでしょう。それも数日過ぎてからそのような感情が生まれるのでしょう。 

 結論を述べれば、彼女も彼らを愛していたのです。ただし、自分が彼らを愛しているということが彼女自身気づいていないのです。本項での表現で言えば、彼女の中ではずっと潜伏期のままだったのです。そして、恐らくですが、男性たちは彼女になんらかのアプローチをしているのだと思います。彼女はそれに気づかないのでしょう。彼女がそのアプローチに応じないので、彼らからすれば彼らの方が彼女からフラれたような体験をしているのかもしれません。 

 最後に彼女は思い出すのです。大学時代、彼女はサークルに入っていて、そこで仲良くなった男性たちもいたのでした。恋愛とかではなく普通の友達だと彼女は思っていたのでした。卒業して何年か経ち、サークルメンバーの男性が結婚したという話を彼女は耳にしたのでした。その時から落ち込みが始まったようだとのことでした。彼女は意識していないし、それが意識に上がることもなかったのですが、彼女はその男性メンバーを愛していたのでしょう。 

 そうしたことが見えてくると、彼女の落ち込みが軽減していきました。理解できなかった現象に理解が進むだけで人はずいぶん落ち着くものなのであります。その後、彼女は気分が落ち込むことがなくなってきたのでカウンセリングを終えたいと申し出てきました。私はそれを受理したのですが、彼女の一つ目の訴えはなんとかなったものの、二つ目の訴えの方はあまり進展しなかったように思います。彼女は男性の心理が分からないのではなく、自分自身の感情をうまく把握できず、自分の心理を理解できていないのであります。 

 

(文責:寺戸順司-高槻カウンセリングセンター代表・カウンセラー)