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<E3-24>キレる配偶者~事例BとCの夫たち

<E3-24>キレる配偶者~事例BとCの夫たち 

 

 自分がキレそうになった時に、その場から引き下がることでそれを実現化しないように試みるパターンをここでは「引き下がり」パターンと呼んでいます。彼らが引き下がろうとするのは、それが効果的であることを経験的に知っているからであると仮定しております。彼らは、彼らにとって上手くいく方策を選んでいるのですが、パートナーがそれを妨害してしまうところに問題が生まれてくるのであります。 

 二つの事例、夫Bも夫Cも、キレそうになるとその場から引き下がることを試みます。その試みが上手くいかないので「キレる」を現実化してしまっていると言えそうであります。 

 また、この二人にはそれぞれキレた後の反省感情が確認できるのであります。やり方は違えど、キレた後には妻に対しての行動が見られるのであります。 

 

 さて、この二人は、上記のように共通点も多いのでありますが、反省感情の性質が異なっているのであります。その点だけを本項では取り上げておくことにします。 

 クライン学派によると、罪意識には迫害期と抑圧期があるとされています。それによって超自我にも迫害型と抑圧型とがあると言います。私はこれはよく分かる気がしています。 

 

 迫害型では、罪意識から他人に責任転嫁してしまう傾向が認められるのであります。悪いことをしたけれど、お前がそうさせたのだ、といった理屈をこねたりするのであります。 

 彼の反省や良心は、罰の恐怖を土台にしているのであります。悪いことをしたということよりも、それによって罰を受けるという恐怖感から反省感情が生まれるというわけであります。 

 性格としては権威主義的な傾向を発達させてしまうので、反省を相手に示すときには、どうしても上からやってしまうのであります。なぐさめたり、励ましたりとか、そういうことをしてしまうのであります。 

 また、こういう性格傾向は父親とか権威ある人物への服従によって発展するので、家父長的であります。 

 以上述べたことは主に夫Bによく当てはまるのであります。 

 彼が私に保証を求めるのも罰の恐怖があるからではないかと思うのです。 

 彼が妻に施しをする場合には、やはりなぐさめたりとか励ましたりとか、どこか上からなのであります。 

 同じく、夫婦は対等でありながら夫がイニシアティブをとる必要があると考えるのもそれと共通するものであります。彼の言う対等とは、一方が他方よりもちょっと上くらいの関係なのであります。 

 また、彼が形成するグループ、つまり彼と彼の部下たちの関係も、伝統的な上下関係なのであります。そこではリーダーに忠誠を尽くし、リーダーはその見返りをメンバーに与えるといった構図が感じられるのであります。リーダーである彼を中心に構成されている集団なのであります。 

 従って、夫Bはリーダーが明確である集団を好むでしょうし、家族においてもそのような関係を求めるでしょう。ただ、彼の妻はそれに適応できる人でもないようでした。 

 

 もう一つの抑圧型というのは、罪意識を抑圧するので、自分で責任を取ろうという傾向を強めるのであります。 

 相手を傷つけるのではないかという恐怖心が土台にあるとされています。 

 また、罪悪感の解決を償いでなそうとする傾向が強まるのです。 

 性格としては博愛的傾向を強めるのであります。この場合、特定のリーダーに忠誠を尽くすというのではなく、集団全体に忠誠を尽くすという形になります。 

 夫Cさんはこちらによく符合するのであります。妻の援助行為を断れないのは、あるいは妻の提案通りにするのは、妻を傷つけるのではないかと恐れているためでありましょう。 

 そして、彼がキレた後の妻への奉仕行動は、すべて償いのニュアンスを有しているのであります。彼なりに責任を取ろうとする行為なのだと私は思っています。 

 職場においても、彼は上下関係が明確で厳しいところでは適応できませんでした。上下関係が自由な雰囲気でないと彼は落ち着けないのでしょう。 

 

 これは余談になりますが、彼ら二人の容貌にも性格の違いが現れているようで面白い(と言っては失礼なのですが)のであります。 

 夫Bさんは、たしかに父親的であります。精悍で力強く、男らしい感じであります。夫Cさんは、柔和で穏やかな感じで、あまり男らしいという感じではありません。Cさん夫婦からは、あまり上下関係が見えず、仲間同士といった印象を受けるのであります。 

 

 さて、本項を書いた理由は、人の行動をパターン別に整理したとしても、個々人のパーソナリティによってさまざまな形態を取りえるということを示したかったのでありました。BさんもCさんも、ここでの分類に従えば「引き下がり」パターンの夫でありますが、性格は正反対であり、その行動や思考もまったく異なるというわけであります。 

 Bさんのような夫と上手くやっていくとすれば、対等よりも相手を上にする関係を築ける方がいいのでしょう。相手(夫)が少し上の立場を受け入れることのできる方がいいでしょう。また、伝統的な夫婦像を多少は持っている方が上手くいくのかもしれません。子供がいる場合、罰を与える傾向があるので、妻はそのフォローを子供にしてやらなければならなくなるかもしれません。夫、妻、子供といった役割や世代境界をしっかりつけようとするかもしれません。家族のこと、家庭のことは、夫がリーダーシップを揮うので、妻がそれを容認できれば、妻としては安泰であるかもしれません。この夫がやたらと励ましたり、慰めたりするときは、罪意識からそうしているのかもしれず、目上の人に対してするように、妻は謝ったり感謝したりするといいでしょう。この感謝が本心からのものであるかどうかは問いません。 

 Cさんのような夫と上手くやっていく場合、あまり上下関係が明確になる場面は創らない方がいいのでしょう。あくまでも対等である方がいいでしょう。子供がいる場合、かなり甘い父親になる可能性もあるので、妻がその分しっかり養育しないといけなくなるかもしれません。償い的な奉仕活動は罪意識によるものであるので、責めたり謝罪を求めたりするよりも、その罪を許す方がいいでしょう。この赦しが本心からのものであるかどうかは問いません。 

 夫婦は、相手のパーソナリティも理解して、お互いに上手に付き合っていくことを学ぶ方がよろしいかと私は考えております。 

 

(文責:寺戸順司―高槻カウンセリングセンター代表・カウンセラー)