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<T1-6>「うつ病」に至る

T1-6>「うつ病」に至る 

 

(事例) 

 そうしてE氏はいくつもの内科等を巡りました。自分に何か不具合があると感じられているのに、自分でもそれが何なのか分からないという状態が続いていました。 

 およそ半年ほど前に、E氏は精神科を受診しています。その頃には、身体的な不調よりも気分的な不調の方を強く経験されていたのです。E氏は日に日に落ち込むことが増えて行ったと回想しています。憂うつな気分に襲われることも度々あったそうです。それで不本意ながらE氏は精神科を訪れたのでしたが、そこで初めて「うつ病」という診断をE氏は貰ったのでした。 

 

(解説) 

 山登りをされる方であれば、登山地図というものをご覧になったことがあるかと思います。一つの山は多方面から入山できます。従って、その山の一合目辺りではいくつものコースができているのです。それが、例えば、五合目になると、それぞれのコースが合流したりして、コースの数が減ります。八合目では、さらに合流が進んで、コースの数はもっと減ります。そして、最終的には、どのコースであれ、山頂に行き着くのです。 

 「うつ病」に限らず、どのような「病気」であれ、それと同じようなことが言えると私は考えています。 

 つまり、「病気」の初期においてはさまざまな症候を呈するのですが、その「病気」が進行していくにつれて、それらがその「病気」に特徴的な「症状」に収斂されていくのです。そして、最終的にはその「病気」がもっとも進行した状態、その「病気」の行き着く状態であり、その「病気」のもっとも典型的な臨床像に行き着くのです。 

 E氏は、初めはさまざまな身体的症状に悩まされていました。いくつもの内科等の医師巡りをしています。それが半年ほど続いて、彼は抑うつ的となり、「うつ病」の診断を貰っています。これは「病状」が進行していると捉えることができます。多彩な症状が、特徴的な症状に収斂されていったと捉えることができるのです。 

 「うつ病」の初期段階は、しばしば、見過ごされてしまう傾向があるように私には思われるのです。これに関して興味のある方は高槻カウンセリングセンターのホームページ、「抑うつ前駆症状」の項目を参照していただければと思います。ここではそれを繰り返さないでおきます。 

 非常に厄介なことに、「うつ病」においては、初期段階がそれに続く「本症状」と直接的に結びつかないかのように見えてしまうということがよく起きるのです。それは本当は「心の病」であるのに、「心の病」のように見えないので、もっぱら身体的な治療やケアを求め続けてしまうということが生じるのです。「病状」が進行して、初めてそれが「心の病」であるということが判明するのです。 

 E氏のように、「うつ病」やその他の「心の病」の診断を貰う前に内科等を訪れる例においては、あまりはっきりした診断名が付されないという印象を私は受けます。例えば、すごく胃の調子が悪いのに、内科で検査してもらい、「ちょっとした胃炎」といった診断を下されたりしているのです。診断が厳密に特定できないことが多いように私には思われるのです。 

 私は一つ強調しておきたいのですが、E氏を診断した医師たちが間違っていたとは思いませんし、そういうことを述べているのではないのです。医師たちはE氏の訴えに対して、医師として処方をきちんとされているのです。ただ、当時のE氏が「身体を窓口にして何らかの援助を求めている」という可能性を医師が考慮できていれば、E氏はもう少し早く自分の「心の病」に気づくことができたかもしれないとは思うのです。 

 ところで、E氏は徐々に精神面での「症状」を呈するようになっています。もし、身体を窓口に使用し続けていれば、E氏はいわゆる「仮面うつ病」と診断されていたかもしれません。しかしながら、E氏はもはや身体を窓口として利用できなくなっています。これは「病状」が進行していると理解できるのですが、このことの意味も考えてみる必要がありそうです。 

 E氏は身体を通じて援助を求めていました。もし、望んでいる援助が得られているなら、彼はそのまま身体的な訴えを続けていっただろうと思います。彼が身体的な訴えを放棄しているのは、彼の望む援助が得られなかったということを意味しているように私には思われるのです。つまり、身体を窓口にして訴える彼のやり方に限界が来ていたのだと思われるのです。E氏にとって、これはとても辛い体験だったのではないかと私は察するのです。彼にとって禁じられていた領域に入り込まざるを得なくなっているからなのです。 

 E氏にとっては辛いことではあったかもしれませんが、それにより、彼は本来的な治療を始めることができたのです。私とのカウンセリングも実現したのです。この意味において、彼の「病状」が進行したことは、彼をして一つ前進させたことにもなるのであります。 

 

文責寺戸順司高槻カウンセリングセンター代表カウンセラー